DLSS Enablerとは?RTX 50シリーズ専用のマルチフレーム生成を他GPUで使えるMODツールの導入方法と注意点まとめ

もくじ

DLSS Enablerって何?

NVIDIAのDLSSには「マルチフレーム生成(MFG)」という機能があります。これは本来レンダリングされたフレームの間に、AIが中間フレームを複数枚生成して、見かけ上のフレームレートを大幅に引き上げる技術です。

ただしこのマルチフレーム生成、NVIDIAはRTX 50シリーズ専用として提供しているんですよね。RTX 40シリーズですら公式には使えません。

あわせて読みたい
NVIDIA DLSS4.5発表まとめ|Super Resolution第2世代Transformerモデルや最大6X Multi Frame Generation... NVIDIAがCES 2026で発表したDLSS4.5を徹底解説!Super Resolutionの第2世代Transformerモデルや最大6X Multi Frame Generation、対応GPU・導入手順まで詳しく紹介します。

そこで登場するのがDLSS Enablerです。これは有志のmodder「artur07305」氏が開発したコミュニティ製のMODツールで、本来RTX 50シリーズでしか使えないマルチフレーム生成を、他のGPUでも疑似的に動かせるようにしてくれます。

GPU側の条件としてはDirectX 12に対応していること。DirectX 12というのはWindows上でゲームのグラフィックを処理するための仕組みのことで、ここ数年で販売されたGPUならほぼ全てが対応しています。NVIDIAだけでなく、AMDやIntelのGPUでも使えます。

もう一つ大事な条件があって、ゲーム側がDLSS 2(Super Resolution)またはDLSS 3(Frame Generation)にネイティブ対応している必要があります。DLSS Enablerはゲーム内のDLSS実装を「乗っ取る」形で動作するので、そもそもゲームにDLSSの仕組みが入っていないと機能しません。

DLSS Enablerはあくまで「エミュレーション(疑似的な再現)」であり、RTX 50シリーズ上でネイティブに動作するDLSS MFGとは品質に差があります。この点は理解した上で使いましょう。


何ができるの?主な機能の紹介

WQHD グラフィック高設定

DLSS Enablerには複数の機能が搭載されています。主なものを紹介します。

マルチフレーム生成(MFG X2〜X6)

最大の目玉機能です。通常のフレーム生成は「1フレーム追加して2倍にする」というものですが、DLSS Enablerではその上のX3(3倍)、X4(4倍)、X5(5倍)、X6(6倍)まで対応しています。

たとえばベースが60FPSのゲームにX3をかければ180FPS、X4なら240FPSという具合に、見かけ上のフレームレートを大幅に引き上げられます。

Adaptive Frame Generation(適応型フレーム生成)

指定したFPS以下に落ちたときだけフレーム生成を自動で有効にする機能です。「普段は必要ないけど重いシーンだけ助けてほしい」という使い方ができます。

Screen Space Ray Tracing(SSRT)

フレーム生成とは別の機能ですが、レイトレーシング非対応のDX12ゲームでも、擬似的にレイトレーシング風のグローバルイルミネーション(間接照明)を追加できるベータ機能も搭載されています。

機能内容対応条件
マルチフレーム生成X2〜X6までの多段フレーム補間DLSS 4 MFG対応タイトル + DX12 GPU
通常フレーム生成(2x)1フレーム追加の基本的なFGDLSS 3対応タイトル + DX12 GPU
Adaptive Frame GenerationFPS低下時のみ自動でフレーム生成ONDX12 GPU
Screen Space Ray Tracing擬似レイトレーシング照明(ベータ)DX12 GPU

FSR 3.1のフレーム生成とどう違うの?

ここが一番気になるポイントだと思います。「フレーム生成ならAMDのFSR 3.1でも使えるじゃん」って思いますよね。

たしかにFSR 3.1のフレーム生成はオープンな技術で、GPUメーカーを問わず使えます。
RTX 20シリーズや30シリーズのユーザーでも、対応タイトルであればFSR 3.1でフレーム生成を有効にできます。すでに活用している方も多いんじゃないでしょうか。

ただし、FSR 3.1のフレーム生成は1フレーム追加の2x(2倍)止まりなんですよね。

つまり「FSR 3.1の2倍じゃ物足りない、もっとフレームレートを伸ばしたい」という場合に、DLSS Enablerが選択肢に入ってくるわけです。

比較項目FSR 3.1 フレーム生成DLSS Enabler
フレーム生成の倍率2x(1フレーム追加)のみX2〜X6まで対応(MFGはX3以上)
提供元AMD公式コミュニティ製MOD
ゲーム側の条件FSR 3.1 FG対応タイトル基本:DLSS 2/3対応 / MFG:DLSS 4 MFG対応
安定性ゲーム開発者が正式に組み込むため高いMODなのでゲームのアプデで動かなくなる可能性あり
対応GPUDX11/DX12対応GPU全般DX12対応GPU全般
導入の手軽さゲーム内設定からON/OFFするだけMODのインストールが必要
画質公式実装なので比較的安定エミュレーションのため本家より劣る場合がある
アップスケーラーとの併用XeSSやDLSS SRと組み合わせ可能DLSSアップスケーリングと組み合わせ可能
霊夢

つまり、FSR 3.1の2倍フレーム生成で満足しているなら無理にDLSS Enablerを入れる必要はないってことね

魔理沙

じゃあどんなやつが使うべきなんだ?

霊夢

「2倍じゃ足りない、もっとフレームレートを盛りたい」って思ってるユーザーね。特に高リフレッシュレートのモニターを使っていて、144Hzとか240Hzをしっかり活かしたいって人にはかなり刺さる機能よ

魔理沙

なるほど、目的がハッキリしてるやつ向けってことだな!


自分のGPUでどこまでいけるの?ランク別の目安

DLSS EnablerはDX12対応GPUであれば動作しますが、快適に使えるかどうかはGPUの性能次第です。ここが非常に重要なポイントなんですよね。

なぜかというと、マルチフレーム生成はあくまで「元のフレームを参考にして中間フレームをAIで生成する」仕組みなので、元のフレームレート(ベースFPS)が低いと生成されたフレームの品質が大幅に下がるんです。具体的にはキャラクターの輪郭がチラつく、残像が出る、UIが二重にブレるといった映像の崩れが発生します。

目安として、ベースフレームレートが60FPS以上あるのが理想です。40〜50FPS程度でも動かすこと自体は可能ですが、映像の崩れやレイテンシの増加が気になりやすくなります。30FPS未満での使用は避けた方が無難です。

GPUベースFPSの目安(1080p)推奨MFG倍率備考
RTX 4090100FPS以上X5〜X6ベースが十分高く、高倍率でも映像の崩れが出にくい
RTX 4080 / 4070 Ti Super80〜100FPSX4〜X5余裕をもってマルチフレーム生成を活用できる
RTX 3060 Ti / 307060〜80FPSX2〜X3理想的なベースFPSを確保しやすく、コスパの良いゾーン
RTX 3060 / 2060 Super50〜60FPSX2DLSSアップスケーリング併用でベースを確保してから使うのがコツ
GTX 1080 / 107030〜40FPS△ 厳しいベースが低すぎて映像の崩れが目立ちやすい
GTX 1060以下20〜30FPS✕ 非推奨フレーム数は増えるが体験としてはガタガタになりやすい

※上記はDLSSアップスケーリングやFSR併用を前提とした、最新AAAタイトルでのおおよその目安です。軽いタイトルならもう少し余裕が出ます。

RTX 20/30シリーズにはTensor Coreが搭載されているので、ネイティブのDLSS Super Resolution(アップスケーリング)を併用できます。これでまずベースFPSを引き上げてから、DLSS EnablerのMFGを乗せるという二段構えが効果的です。GTX 10シリーズにはTensor Coreがないので、アップスケーリングにはFSRやXeSSを使うことになります。

霊夢

海外の検証動画でも「RTX 20/30シリーズは無理に6倍にしないで3倍程度に抑えておくとレイテンシも抑えられて快適」という見解が多かったわね

魔理沙

RTX 40シリーズだと5倍6倍でもいけるって話だったよな?

霊夢

そうね、特にRTX 4080以上はベースフレームレートが十分に高いから、高倍率でも中間フレームの予測精度が保たれやすいの。倍率を上げるほど入力遅延(レイテンシ)も増えるんだけど、NVIDIAのReflex系の低遅延技術と併用すれば実用圏内に収まるよ

なるほど、自分のGPUに合った倍率で使うのが大事ってことだな


導入方法

DLSS Enablerの導入手順を、実際のインストーラー画面に沿って解説します。

1. ダウンロード

GitHubの公式リリースページから最新のインストーラー(.exe)をダウンロードしてください。

  • GitHub:https://github.com/artur-graniszewski/DLSS-Enabler/releases

ページ上部にある最新バージョンの「Assets」セクションから、.exe形式のインストーラーを選んでダウンロードします。

2. インストーラーを起動

ダウンロードした.exeを実行します。ライセンス画面などを進めると、最初にインストール先フォルダを指定する画面が表示されます。

3. インストール先の指定(最重要ポイント)

【超重要】ここが一番間違えやすい部分です!!

DLSS Enablerは「DLSSを有効にしたいゲーム」1本ごとに個別にインストールするMODなんです。PCに1回入れれば全ゲームに対応する、というタイプのソフトではありません。

なので、インストール先フォルダとして指定するのは「DLSS Enablerを使いたいゲームの.exeがあるフォルダ」になります。他の場所に入れても意味がないので注意してください。

※今回はプラグマタで試してみます。

ゲームの.exeがあるフォルダの探し方

Steamのゲームを例にすると、以下の手順で見つけられます。

  1. Steamライブラリで対象ゲームを右クリック → 「管理」→「ローカルファイルを閲覧」
  2. 開いたフォルダの中に.exeファイルがあれば、そこがインストール先
  3. .exeが見当たらない場合は、フォルダ内のbinbin64Binaries\Win64などのサブフォルダを確認

実際のゲームでの例をいくつか挙げておきます。

ゲーム.exeがある場所
Cyberpunk 2077...\Cyberpunk 2077\bin\x64\
Crimson Desert...\Crimson Desert\bin64\
Resident Evil Requiemゲームのルートフォルダ直下
多くのUnreal Engineゲーム...\ゲーム名\Binaries\Win64\

ゲームによって構成が異なるので、「このゲームで起動に使われている.exeはどれか?」を確認してからインストール先を指定してください。

複数のゲームで使いたい場合

複数のゲームでDLSS Enablerを使いたい場合は、ゲームごとに毎回インストーラーを実行して、それぞれのゲームフォルダに個別にインストールする必要があります。面倒に感じるかもしれませんが、ゲームごとに最適な設定が異なるため、この仕様になっています。

インストール先を指定してNextを押すと、次のコンポーネント選択画面に進みます。

4. コンポーネントの選択(GPU別)

「Select Components」という画面が表示されます。自分のGPUに合わせて以下のように設定してください。

NVIDIA GPU(RTX 20/30/40/50シリーズ)の場合

  • Install main DLSS Enabler files (game dependant) → チェックON
  • ⦿ Install as a version.dll file (optimal compatibility) → 選択
  • Enable support for AMD and Intel GPUsチェックOFFのまま

NVIDIAユーザーは上の設定でOKです。「Enable support for AMD and Intel GPUs」には絶対にチェックを入れないでください。NVIDIA環境で有効にすると、かえって不具合の原因になります。

AMD GPU / Intel GPUの場合

  • Install main DLSS Enabler files (game dependant) → チェックON
  • ⦿ Install as a version.dll file → 選択
  • Enable support for AMD and Intel GPUsチェックON
  • ⦿ Install NVIDIA Runtime files into game directory → 選択

AMD/Intelの方にチェックを入れると、その下の「Install XeSS 1.3 and FSR 3.1 replacements」や「Install Nukem9 DLSSG-to-FSR3 module」が自動的に有効になります。これらはDLSSをAMD/Intel GPUで動かすための必須コンポーネントです。

5. インストール方式について

メインのDLSS Enablerファイルには4つのインストール方式があります。基本は一番上のversion.dllを選んでおけば問題ありません。

方式使いどころ
version.dll最も互換性が高い。まずはこれを選ぶ
winmm.dllversion.dllで動かない場合の代替
ASI pluginゲームが大量のMODを使っている場合
dxgi.dll上記すべてで動かないときの最終手段

もし選んだ方式でゲームが起動しない、DLSSオプションが表示されないといった症状が出たら、一度アンインストールしてから下の方式を試していく流れになります。

6. オプションファイルについて

画面下部の「Install optional files」はトラブルシューティング用です。最初はチェックを入れなくて大丈夫です。不具合が出た場合に触る項目なので、初回インストールでは無視してOKです。

選択が完了したらNextを押してインストール実行。これでインストール作業は完了です。

7. ゲーム内での設定

ゲームを起動したら、グラフィック設定でDLSS関連の項目を有効にします。DLSS Enablerが正しく動作していれば、本来表示されないはずのDLSSオプションが選択できるようになっています。

MFGの倍率変更やAdaptive Frame Generationの設定は、ゲーム中にCtrl+`(チルダキー)を押すことでデバッグコンソールやオーバーレイメニューが表示される場合があります。バージョンによってUIの挙動が異なるため、うまく表示されない場合はInsertキーでOptiScalerのオーバーレイを試してみてください。

8. アンインストール方法

DLSS Enablerを削除したい場合は、インストールしたゲームフォルダ内にある関連ファイル(version.dllnvngx.dlldlss-enabler.iniOptiScaler.inidlssg_to_fsr3_amd_is_better.ini など)を手動で削除するか、DLSS Enablerが提供するアンインストーラーを使います。ゲームが起動しなくなった場合は、Steamなどで「ゲームファイルの整合性を確認」すれば元に戻せます。

9. 注意事項

  • ウイルス対策ソフト:DLL注入(DLLインジェクション)という手法を使うため、一部のウイルス対策ソフトが誤検知する場合があります。誤検知の場合は例外設定に追加してください
  • AMD / Intel GPU使用時のレイトレーシング:「Enable support for AMD and Intel GPUs」を有効にすると、NVIDIAランタイムファイルが導入されます。その影響でゲーム内のレイトレーシング(RT)機能と競合し、RTが動作しなくなることが報告されています。RTを復旧するにはDLSS Enabler自体をアンインストールする必要があるため、フレーム生成とレイトレーシングの併用は現時点では難しいと考えてください
  • RTX 50シリーズ:ネイティブのDLSS MFGとの競合が起きる場合があるので、MOD経由のMFGと本家MFGのどちらを使うか整理しておきましょう

使うときの注意点

DLSS Enablerは非常に便利なツールですが、いくつか注意すべきポイントがあります。

ベースフレームレートが低いと映像が崩れる

これは何度も強調していますが、一番大事なポイントです。マルチフレーム生成はAIが前後のフレームから中間フレームを「予測」して作る仕組みなので、元のフレームが少なすぎると予測の精度が落ちます。

具体的には、ベースが20FPS程度の状態でMFG X4をかけると、数字上は80FPSになりますが、映像はチラつきやブレだらけで快適とは言えない状態になります。理想はベース60FPS以上、最低でも40〜50FPSは確保してから使うのが鉄則です。

あくまでMODであるリスク

DLSS EnablerはNVIDIA公式のツールではなく、コミュニティ製のMODです。そのため以下のリスクがあります。

  • ゲームのアップデートで動かなくなる可能性がある
  • オンラインゲームではアンチチート(不正対策ソフト)に引っかかる可能性がある
  • 特定のゲームとの相性問題が発生することがある

ネイティブDLSS MFGとの品質差

RTX 50シリーズでネイティブに動作するDLSS MFGは、NVIDIAのTensor Coreを使ったハードウェアアクセラレーションで処理されます。DLSS Enablerはソフトウェア的にこれをエミュレーションしているため、同じ倍率でも画質や安定性に差が出ます。「本物のDLSS MFGと全く同じ体験が得られる」とは思わないようにしましょう。

対応タイトルの条件

DLSS Enablerの基本機能(アップスケーリングや2xフレーム生成)は、ゲームがDLSS 2またはDLSS 3にネイティブ対応していれば動作します

ただしマルチフレーム生成(X3以上)を使うには、さらに条件が加わります。そのゲームがDLSS 4のマルチフレーム生成にネイティブ対応している必要があるんですよね。DLSS 3のフレーム生成(1フレーム追加)にしか対応していないタイトルでは、MFGは有効にできません。

現時点(2026年4月)ではCrimson Desert、Resident Evil Requiem、Samsonなどの対応が確認されています。

また、X5やX6モードについては、ゲーム側のStreamline(NVIDIAのフレームワーク)のバージョンが一定以上に更新されている必要がある場合があります。すべてのDLSS 4 MFG対応タイトルでX5/X6がそのまま動くとは限らない点にも注意してください。


まとめ

DLSS Enablerは、RTX 50シリーズを持っていなくてもマルチフレーム生成という最新技術を疑似的に体験できる非常にユニークなMODツールです。

特にRTX 20/30シリーズのユーザーにとっては、FSR 3.1の2倍フレーム生成では届かなかった高フレームレート領域に手が届く可能性がある、魅力的な選択肢になります。RTX 40シリーズのユーザーも、本来使えないはずのX5やX6モードを試せるという点で大きなメリットがあります。

ただし忘れてはいけないのは、DLSS Enablerは魔法のツールではないということ。ベースフレームレートが低ければ映像は崩れますし、MODゆえの不安定さもあります。自分のGPU性能に見合った倍率で、無理のない範囲で活用するのが賢い使い方です。

「FSR 3.1のフレーム生成は使ってるけど、もうちょっとフレームレート伸ばせないかな…」そんな風に思っているなら、一度試してみる価値は十分にあると思いますよ。


あわせて読みたい
最新技術でゲームがもっと快適に!今更聞けない、DLSS4とFSR4の違いって? DLSS 4とFSR 4を徹底比較!AI搭載アップスケーリング技術の違い、対応GPU、画質・性能の差をわかりやすく解説。最適なGPU選びに役立つ情報をお届けします。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

PC購入で失敗しないために初心者でもわかるPC基礎知識や自作PC関連などまとめています*もっと分かりやすいようにYouTubeも更新中!
また、こちらではアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています*

コメント

コメントする

CAPTCHA


もくじ