はじめに
自作PCを検討していると、いまさらのように名前が出てくるCPUがあります。
そのひとつが Ryzen 7 5700X。2022年に登場したZen 3世代の8コアCPUですが、2025年の今でも「コスパが良いから買いだ」と言われることが少なくありません。
最新のRyzen 9000シリーズやIntelの15世代が市場に並んでいる中で、なぜあえて旧世代のCPUが注目され続けるのでしょうか?
基本スペック

Ryzen 7 5700Xは8コア16スレッド、定格3.4GHz・ブースト最大4.6GHz、TDPは65Wと扱いやすい設計です。
発売当初は上位モデル5800Xの省電力版という位置付けで登場し、「高性能を求めたいけど発熱や消費電力を抑えたい」というニーズに応えていました。今では国内流通の新品が2万円台前半で手に入るようになり、当時とは比べ物にならない価格性能比を誇ります!
今でも買いとされる理由

1. コストパフォーマンスが突出している
新品2万円前後で8コア16スレッドが手に入るのは大きな魅力です。
たとえば RTX 5060 や RX 9060 XT クラスのGPUと組み合わせてもCPU性能が足を引っ張らず、フルHD〜WQHD環境で安定したフレームレートを維持できます。動画編集や配信でも十分な力を発揮し、同価格帯の最新世代CPUと比べても処理能力で大きく劣ることはありません。
2. 発熱と消費電力が少なく扱いやすい
TDP65Wという数字は、静音PCや小型ケース構成で特に活きてきます。
冷却を強化しなくても安定して動作しやすく、長時間の利用でも電力コストを抑えられるのは大きな利点です。自作初心者にとっても「組みやすいCPU」と言えるでしょう。
3. 安定した成熟度
登場から数年が経ち、BIOSやドライバは出揃っており動作は安定しています。
新しい世代では「最新規格が活かせる代わりに価格が高い」「動作検証がまだ十分でない」といった不安材料もありますが、5700Xはすでに成熟したプラットフォームの上で動かせるため安心感があります。
最新CPUとの立ち位置の違い

2025年時点では、AMDはRyzen 9000シリーズ(Zen 5/AM5プラットフォーム)、Intelは第15世代Arrow Lakeが主流です。
これらのCPUはDDR5メモリやPCIe 5.0など最新規格に対応し、処理能力でも大幅に進化しています。ただし、それらを活かすにはマザーボードやメモリを一新する必要があり、コストは一気に跳ね上がります。
一方、Ryzen 7 5700Xは旧AM4プラットフォームを前提とするため、最新規格には非対応です。
将来性はありませんが、「割り切って安く済ませたい」というニーズには完璧にマッチします。最新CPUが投資だとすれば、5700Xは即戦力を低コストで確保する手段です。
こんな人におすすめ

- とにかく安くゲーミングPCを組みたい人
- 最新規格にこだわらない人
- サブマシンや配信用PCを作りたい人
逆に、PCIe 5.0 SSDを使いたいとか、長期的なアップグレードを考えているなら、5700Xは選ぶべきではありません。その場合はRyzen 9000シリーズで構成したほうが確実です。
おすすめ構成例(予算10〜15万円)
- CPU:Ryzen 7 5700X
- GPU:Radeon RX 9060 XT またはGeForce RTX 5060
- メモリ:DDR4 32GB(16GB×2)
- SSD:1TB NVMe Gen4
- マザーボード:B550
- 電源:650W Goldクラス

注意点
- 内蔵GPUは非搭載なのでグラボ必須
- 将来的な拡張性は乏しい(AM4世代の最終ライン)
- 古いマザーボードを使う場合はBIOS更新が必要なこともある
まとめ
Ryzen 7 5700Xは、最新世代のような派手さや未来志向の機能は持ち合わせていません。
けれど「今すぐ安く、安定して、十分な性能を確保したい」人にとっては、2025年でも魅力的な選択肢です。
国内流通品の新品がまだ2万円台前半で手に入る現状を考えると、延命用にも新規コスパ構築にもまだ使える8コアCPU として十分に価値があります!
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