RTX 5090が事実上の供給終了へ
GeForce向けGB202の新規供給が停止したとの報道
2026年10月、RTX 5090に使われているGPUチップ「GB202」が、ボードメーカーに新しく割り当てられなくなったと報じられました。
GB202は、すべて業務用のRTX PROシリーズに回されるとされています。
中国向けのRTX 5090 DとRTX 5090 D V2も、すでに供給が止まっているようです。
この話は1つの情報源だけでなく、複数の海外メディアが業界関係者から同じ内容を得たと報じています。
GB202は、RTX PRO 6000やRTX PRO 5500にも使われているチップです。
RTX 5090と同じ構成のGB202に84GBのメモリを積んだRTX PRO 5500は、欧州で1万6,000ユーロを超える価格で販売されています。
同じチップなら、利益の大きい業務用に回したいと考えるのは自然です。
ただし、NVIDIAは原価や利益率を公表していないので、これが理由だとは断定できません。
注意したいのは、報道されているのは「一般向けGeForceへの新規供給停止」であって、GB202チップそのものの生産終了ではないことです。
NVIDIAは正式な生産終了を発表しておらず、海外メディアの問い合わせにも回答していません。
また、新規の割り当てが止まっても、ボードメーカーがすでに確保したチップや完成品は流通します。
すぐに店頭から消えるわけではありませんが、新しく入ってくる量は細っていくと考えられます。
NVIDIAのマーケットプレイスからもRTX 5090が消えた
10月16日時点で、米国のNVIDIA公式マーケットプレイスではRTX 5090が検索結果に出なくなっていました。
米国の大手PCショップでも、多くのRTX 5090が「在庫切れ」ではなく「取り扱いなし」の表示に変わっています。
一方、ドイツのマーケットプレイスには同じ日の時点で24件のRTX 5090が残っていました。
NVIDIA純正モデルは購入できず、ボードメーカー製は7,299ユーロからでした。
地域によって対応が違うので、マーケットプレイスから消えたことだけで生産終了とは言えません。
供給停止の報道と合わせて、一般向けの販売を縮小していることを示す材料の1つと考えるのが妥当です。
日本国内では価格が高騰、在庫も減少
国内のRTX 5090の価格は、この1年ほどで約3倍になりました。

出典:PC Watch、GAZLOG、GAZLOG、AUTOMATON、GAZLOG、価格.com(2026年10月17日確認)
表はすべてグラフィックボード単体の価格です。
RTX 5090を搭載したBTOパソコンは、10月12日時点で127万9,800円(Ryzen 5 7500F・64GBメモリ・1TB SSD)が最安でした。
単体が約120万円なので、PC一式との差は約8万円しかありません。
RTX 5080 24GB版が次の最上位GeForceに?
2027年第1四半期に登場するとの報道
NVIDIAは、VRAM24GBのRTX 5080を2027年第1四半期(1〜3月)に投入する計画だと報じられています。
24GB版は現行の16GB版と並べて売るのではなく、16GB版を置き換える製品になるとされています。
RTX 5090がなくなれば、24GB版が一般向けGeForceの最上位です。
ただし、ボードメーカーにはまだ開発資料が届いておらず、「近いうちに渡す」と口頭で伝えられただけだとされています。
発売時期は今後ずれる可能性がありますし、価格や正式な製品名も決まっていません。
以前のRTX 5080 SUPERとは同じ製品なのか
24GBのRTX 5080という話は、2025年に出回ったRTX 5080 SUPERのリークが最初です。
当時のリークでは、GB203チップ、CUDAコア10,752基、24GB GDDR7、メモリ速度32Gbps、TGP415Wとされていました。
当時のリーク内容は、RTX50 SUPERリークまとめで詳しく整理しています。
その後、SUPERは3GBのGDDR7メモリチップが高価なために発売が保留されたと報じられました。
3GBチップの価格がどれくらい製品価格に響くのかは、RTX 50 SUPERの価格試算で検証しています。
今回の24GB版も、同じGB203を使い、3GBのメモリチップで容量を増やすと報じられています。
一方で、旧リークにあった32Gbpsや415Wについては、今回の報道では触れられていません。
保留されたSUPERと同じ製品なのか、仕様を変えた別の製品なのかは、まだ分かりません。
RTX 5090・RTX 5080・5080 24GB版のスペック比較
CUDAコア・VRAM・メモリ帯域幅を比較

出典:NVIDIA公式、KitGuru、PC Games Hardware、PCWorld
24GB版の960GB/sは、現行と同じ256-bit・30Gbpsのまま変わらないと仮定した推定値です。
SUPERリークの1,024GB/sも、32Gbps×256-bitから計算した値です。
VRAMが24GBになってもGPU性能は5090並みにはならない
現行のRTX 5080は、GB203チップを削らずにすべて使った構成です。
24GB版が同じGB203を使うなら、演算ユニットをこれ以上増やす余地はありません。
RTX 5090はCUDAコアが約2倍、メモリバス幅も2倍の512-bitで、メモリ帯域幅は約1.9倍あります。
メモリチップを2GBから3GBに替えれば容量は増えますが、バス幅は変わらないので、帯域幅はほとんど変わりません。
帯域幅とVRAM容量の違いは、メモリ帯域幅の解説記事を参考にしてください。
ただし、CUDAコア数の比がそのまま性能差になるわけではないので、実測で確認します。
RTX 5080 24GB版はRTX 5090の代わりになるのか
現行RTX 5090とRTX 5080のゲーム性能差

出典:Gamers Nexus(実測データをもとに独自作成)
| ゲーム | RTX 5090 | RTX 5080 | RTX 5090の差 |
|---|---|---|---|
| ファイナルファンタジーXIV 黄金のレガシー | 181.7fps | 112.4fps | 約62%高速 |
| ドラゴンズドグマ2 | 132.5fps | 84.4fps | 約57%高速 |
| バイオハザード RE:4 | 206.7fps | 122.4fps | 約69%高速 |
| 黒神話:悟空 | 85.5fps | 57.6fps | 約48%高速 |
出典:Gamers Nexus(4K・高画質プリセット・レイトレーシングなし、Ryzen 7 9800X3D)
4KではRTX 5090のほうが約48〜69%高速でした。
逆に見ると、RTX 5080はRTX 5090より約33〜41%低い性能です。
24GB版が同じGB203を使うなら、この差はVRAMを増やしても縮まらないと考えられます。
4Kで最高の性能を求める人にとって、24GB版はRTX 5090の代わりにはなりません。
VRAM増量のみならゲーム性能はどこまで変わる?
VRAMを増やしたときの変化は、そのゲームで16GBが足りているかどうかで分かれます。
足りているゲームなら、24GBにしても平均fpsはほとんど変わりません。
VRAMはテクスチャなどのデータを置いておく場所なので、置き場所が足りていれば、広げても描画は速くならないからです。
一方、16GBでは足りない設定なら、fpsの低下やテクスチャの読み込み遅れが改善する可能性があります。
ただし、モニタリングソフトでVRAM使用量が16GBを超えて表示されても、それだけでは不足とは判断できません。
ゲームは、実際に使う量より多めにVRAMを確保することがあるからです。
VRAMの仕組みは、VRAM容量の解説記事で詳しく説明しています。
霊夢報道どおり同じGB203なら、VRAMが増えてもGPUの中身は今のRTX 5080と同じよ
魔理沙じゃあ、4Kのfpsが5090に近づくわけじゃないのか
霊夢そうね。4Kの実測では5090のほうが5〜7割速いけど、この差はVRAMじゃなくてGPUの規模から来ているわ
魔理沙VRAMが足りてるゲームなら、24GBにしても変わらないってことだな
VRAM24GBはどんなユーザーに必要?
ゲーマーにとって16GBから24GBへの増量は必要?
モンスターハンターワイルズの高解像度テクスチャパックには、VRAM16GB以上という公式の要件があります。
カプコンは、設定によっては16GBでもVRAMに関する問題が起きる可能性があるとも説明しています。
ただ、16GB以上という要件は、16GBで足りないことの証拠ではありません。
モンスターハンターワイルズ、ファイナルファンタジーVII リバース、ファイナルファンタジーXVI、ドラゴンズドグマ2について調べましたが、16GBと24GB以上を同じ条件で比べた実測は見つかりませんでした。
先ほどの4Kの実測でも、RTX 5080の16GBが原因で性能が落ちたという結果は出ていません。
現時点では、ゲームのために24GBが必要だと言える根拠はありません。
ローカルAI・画像生成では24GBのメリットが大きい
ローカルLLMでは、16GBと24GBの差がはっきり出ます。
モデルのデータがVRAMに収まるかどうかで、動く速さが大きく変わるからです。
| モデル | 量子化 | ファイルサイズ |
|---|---|---|
| Qwen3 14B | 4bit | 9.3GB |
| Qwen3 14B | 8bit | 16GB |
| Qwen3 30B-A3B | 4bit | 19GB |
| Qwen3 32B | 4bit | 20GB |
| Qwen3 32B | 8bit | 35GB |
出典:Ollama
実際に必要なVRAMは、このファイルサイズに会話の履歴などを保持する領域が加わり、扱う文章が長いほど増えます。
16GBなら14Bクラスの4bit版を余裕を持って動かせますが、32Bクラスの4bit版(20GB)は収まりません。
24GBあれば、32Bクラスの4bit版をVRAMに載せられます。
収まらない部分をメインメモリ側で処理する方法もありますが、その分処理は遅くなります。
画像生成AIのFLUX.1 devは、モデル本体のファイルだけで23.8GBあります。
このままの精度では24GBでも余裕がないので、ComfyUIでは必要なVRAMを減らした軽量版も使われています。
16GBでも軽量版なら動かせますが、24GBのほうがモデルの選び方や生成サイズに余裕が出ます。
動画編集・3DCGではどうか
DaVinci Resolveでは、タイムラインの解像度によって必要なVRAMが変わります。
| タイムラインの解像度 | VRAMの目安(最低限) |
|---|---|
| 1080p | 8GB |
| 4K | 12GB |
| 6K・8K | 20GB以上 |
6Kや8Kのタイムラインで編集するなら、16GBでは目安に届かず、24GBなら届きます。
ただし、ノイズ除去やエフェクトを多く使う作業では、VRAM容量よりGPUの処理性能のほうが速度を左右します。
Blenderでは、GPUレンダリングで使えるメモリは基本的にGPU自身のVRAMだけです。
VRAMが一杯になるとメインメモリを使おうとしますが、本来の速さは出にくくなります。
大きなシーンを扱う人には24GBが役立ちますが、レンダリングの速さそのものはCUDAコアの多いRTX 5090のほうが上です。
RTX 5090の32GBが必要なユーザーは?
24GB版が出ても、32GBが必要な作業は残ります。
ローカルLLMで32Bクラスを長い文章で使う場合、20GBのモデルに会話の履歴などが加わるので、24GBでは余裕がなくなります。
FLUX.1 devを軽量化せずに扱う場合や、8Kで複雑な編集をする場合も、32GBのほうが制約が少なくなります。
さらにRTX 5090は、CUDAコア数もAI処理性能も現行RTX 5080の約2倍です。
VRAM容量だけでなく処理の速さも必要な人にとって、24GB版は完全な代わりにはなりません。
RTX 5080 24GB版を待つべき?今買うべき?
ゲーム中心なら現行RTX 5080でも十分
2026年10月17日時点で、価格.comでのRTX 5080 16GBの最安値は28万9,980円でした。
RTX 5090の最安値119万8,000円の約4分の1です。
ゲームで16GBが足りなくなるという実測がない以上、ゲーム目的なら現行の16GB版を選ぶのは合理的です。
24GB版の価格は未発表ですが、3GBのメモリチップは高価なので、16GB版より高くなる可能性があります。
ほかのGPUとの性能差は、GPU性能比較表にまとめています。
AIや制作中心なら24GB版を待つ価値はある?
ローカルLLMで32Bクラスを使いたい人や、6K・8Kの動画を編集する人なら、24GB版を待つ意味はあります。
ただし、発売時期・価格・仕様はどれも正式に発表されていません。
ボードメーカーに資料が届いていない段階なので、発売がずれる可能性もあります。
いま16GBが足りなくて作業が止まっているなら、待つ間に失う時間も含めて判断してください。
RTX 5090を必要とする人はどうする?
32GBのVRAMと、RTX 5080の約2倍の演算性能の両方が必要な人は、24GB版を待っても解決しません。
選択肢は、流通在庫が残っているうちに買うことです。
単体が約120万円なのに対し、搭載BTOパソコンは127万9,800円からなので、PCごと買い替える予定ならBTOのほうが割安になる場合があります。
BTOの価格はCPUやメモリを含めたPC一式の価格なので、構成を確認してから比べてください。
BTOパソコンの選び方は、予算別BTOゲーミングPC購入ガイドで紹介しています。
霊夢ローカルAIで32Bクラスのモデルを使うなら、16GBと24GBの差は大きいわ
魔理沙でも5090が要る人は、24GB版を待っても代わりにならないんだな
霊夢そうよ。VRAMが32GBなのに加えて、処理性能も約2倍あるもの
魔理沙何に使うかで、待つか今買うかが変わってくるのか
まとめ
RTX 5090向けGB202の新規供給停止は、NVIDIAの正式発表はないものの、複数の業界関係者への取材で裏付けられています。
国内では単体価格が約120万円まで上がり、新しい在庫はほとんど期待できません。
RTX 5080 24GB版は、2027年第1四半期に16GB版を置き換える形で登場すると報じられています。
RTX 5080 24GB版が現行5080と同じGB203を採用するなら、VRAMが増えてもRTX 5090との大きなGPU性能差は残ると考えられます。
ゲームが中心なら、16GBで足りなくなるという実測がない現時点では、現行のRTX 5080で十分です。
ローカルAIや高解像度の動画編集のように、16GBを超えるVRAMが必要な作業をする人には、24GB版を待つ価値があります。
32GBのVRAMと最上位の演算性能の両方が必要な人は、RTX 5090の残りの在庫を検討することになります。


