Intelから、ちょっと気になるCPUの話が出てきました。
名前はRaptor Lake Next。
2027年に登場するとされているCore 200シリーズで、12〜14世代Coreで使われていたLGA1700を採用し、DDR4にも対応すると報じられています。
Intelの新しいデスクトップ環境は、すでにArrow LakeからLGA1851とDDR5へ移っています。
さらにその次には、Nova Lakeも控えています。
それなのに、なぜ2027年になって、またRaptor LakeとLGA1700なんでしょうか?
同じLGA1700なら、12〜14世代を使っている人の乗り換え先にも見えますよね!
ただ、今出ている情報を見る限り、それが一番の目的とは考えにくそうです。
むしろ気になるのは、2027年になってもIntelでDDR4を使ったPCを組めるという点です。
新しいマザーボードとDDR5までまとめて買い替えなくても、価格を抑えたIntel PCを用意できる可能性があります。
Raptor Lake Nextがどんなモデルなのか。
そして、なぜIntelが今になってLGA1700をもう一度使おうとしているのか。
順番に見ていきます。
Raptor Lake Nextは2027年に登場すると報じられている
まずは、今わかっている内容から整理しておきましょう。
Raptor Lake Nextは、2027年前半に登場すると報じられているデスクトップ向けCPUです。
製品名はCore 200シリーズになるとされていて、Core 3、Core 5、Core 7が用意される見込みです。
現在出ている情報をまとめると、次のようになっています。
| クラス | Pコア | Eコア | 合計コア数 | PBP |
|---|---|---|---|---|
| Core 7 | 8 | 12 | 20コア | 65W |
| Core 5 | 8 | 8 | 16コア | 125W |
| Core 5 | 6 | 4 | 10コア | 65W |
| Core 3 | 4 | 0 | 4コア | 65W |
一番上のモデルでも8P+12Eの20コアという構成です。
10コアのCore 5には、24MBのL3キャッシュを持つバリエーションもあるとされています。
ソケットはLGA1700で、DDR4にも対応する見込みです。
ただし、Raptor Lake NextはまだIntelが正式に発表したCPUではありません。
製品名や細かい仕様、発売時期については、今後変わる可能性があります。
現時点では、2027年にこうしたCPUが計画されているらしい、くらいに見ておくのがよさそうです。
名前は新しくても、中身まで大きく変わるわけではない
Raptor Lake Nextという名前だけ見ると、14世代Coreよりさらに先へ進んだCPUのように思えます。
ただ、今出ている情報を見る限り、中身にそこまで大きな変化はなさそうです。
PコアはRaptor Cove、EコアはGracemont。
13世代Raptor Lakeや14世代Raptor Lake Refreshと同じ系統ですね。
既存のRaptor Lake系シリコンを使ったCPUになるとされていて、まったく新しいアーキテクチャへ切り替わるわけではありません。
最大構成も8P+12Eの20コアで、これはCore i7-14700系と同じです。
もちろん、クロックやキャッシュ構成が変われば性能にも差は出ます。
ただ、Raptor Lake Nextが出ることで14世代より一気に速くなる、というタイプのCPUではなさそうです。
2027年の新しいアーキテクチャを使ったIntel CPUとしては、別にNova Lakeが予定されています。
では、性能を大きく伸ばすCPUではないのに、なぜ今さらRaptor Lakeなのでしょうか。
12〜14世代からわざわざ乗り換えるCPUでもなさそう
LGA1700と聞いて最初に思い浮かぶのが、12〜14世代からのCPU交換だと思います。
LGA1700は、第12世代Alder Lake、第13世代Raptor Lake、第14世代Raptor Lake Refreshで使われてきました。
同じソケットなら、今使っているPCからCPUだけ交換できるのでは、と期待したくなりますよね。
実際、Core i3-12100やCore i5-12400といったモデルから上位のRaptor Lake Nextへ交換できるなら、性能を上げる手段としては面白そうです。
一方で、Core i7-13700Kや14700Kあたりを使っている場合は話が変わってきます。
Raptor Lake Nextも同じ系統のCPUで、最大コア構成も14700系と同じ20コアですからね。
13世代や14世代の上位モデルから乗り換えるほどの性能差が出るのかというと、今の情報だと少し疑問が残ります。
魔理沙同じLGA1700なら、12〜14世代から乗り換えるために出すCPUかと思ったぜ
霊夢下位モデルからなら候補になるかもしれないわ。でも、13世代や14世代の上位モデルを使っているなら、今のところ大きな乗り換え先には見えないわね
それと、ソケットが同じだからといって、今あるマザーボードすべてで動くと決まったわけでもありません。
現在の12〜14世代は600シリーズと700シリーズのマザーボードで使えますが、Raptor Lake Nextへの対応はまだ正式に発表されていません。
手持ちのマザーボードで使えるかどうかは、今後のBIOS対応も含めて確認が必要です。
じゃあ、なんで2027年にまたLGA1700なのか
ここで出てくるのが、メモリの価格です。
DDR5の価格が上がったことで、DDR4を使えるRaptor LakeやLGA1700への需要が増えています。
Intelも2026年8月に、Raptor Lakeを今後も数年間提供していく考えを示しました。
LGA1700についてもまだ使えるソケットだとしていて、DDR4への関心が残っていることにも触れています。
つまりIntel側にも、Raptor LakeとDDR4環境をすぐに終わらせるつもりはなさそうです。
Raptor Lake Nextの狙いをIntelが正式に説明したわけではありませんが、ここまでの流れを見ると理由はかなり分かりやすいと思います。
新しいCPUに合わせて、
CPU
+新しいマザーボード
+DDR5
まで全部そろえると、PC全体の価格も上がってしまいます。
一方でLGA1700とDDR4を使えるなら、
Raptor Lake Next
+LGA1700マザーボード
+DDR4
という構成を2027年にも残せます。
すでにDDR4を持っているなら、そのまま流用できる可能性もありますね。
Raptor Lake Nextは、CPUそのものを大きく進化させるというより、Intelでも価格を抑えたPCを組めるようにする。
そちらの意味の方が大きいのかもしれません。
2027年もIntelでDDR4を使ったPCを組める
DDR4を使って価格を抑えたい場合、ここ最近はAM4がかなり選びやすい環境でした。
Ryzen 5000シリーズ
+AM4マザーボード
+DDR4
という構成ですね。
AM4は長く使われてきたぶん、CPUもマザーボードも選択肢が豊富です。
実際、今でもRyzen 5000シリーズを使ってDDR4環境を組むことはできます。
AM4を使った構成については、こちらの記事でも紹介しています。
→ Ryzen 5 5500X3DならAM4でまだ戦える!メモリ高騰時代を乗り切るコスパCPU
もちろん、Intelでも今からDDR4環境を組むこと自体はできます。
12〜14世代CoreはDDR4に対応していますし、DDR4対応のLGA1700マザーボードも販売されていますからね。
ただ、2027年になってDDR4を使うためだけに、さらに古くなった13世代や14世代を新しく買うのとは、また少し話が違ってきます。
Raptor Lake Nextが予定通り登場すれば、
Ryzen 5000シリーズ+AM4+DDR4
に加えて、
Raptor Lake Next+LGA1700+DDR4
という選択肢も出てきます。
DDR4でPCの価格を抑えたい場合に、Intelも改めて候補に入ってくるかもしれません。
魔理沙新しいCPUなのに、DDR4を使えるところが注目されるのは変な感じもするな
霊夢普通なら新しい規格へ移っていくところだけど、今はメモリ価格がかなり上がっているから事情が違うのよ。新しさだけじゃなく、PC一台をいくらで組めるかも大事になっているわ
ただし、DDR4を使えるだけで安くなるわけではない
ここは押さえておきたいポイントです。
DDR4に対応しているからといって、Raptor Lake Nextがお買い得になると決まったわけではありません。
DDR4自体も価格が上がっていますし、Raptor Lake Nextや対応マザーボードがいくらになるのかも、まだ分かっていません。
性能面でも、DDR5の方が有利になるゲームはあります。
LGA1700環境を使った最近の比較でも、同じCPUでDDR4とDDR5を使った場合にゲーム性能の差が確認されています。
特にCPU性能が出やすい条件では、その差も大きくなりやすいです。
なので、Raptor Lake Nextを見るときにCPU単体の値段だけで比べるのは、あまりおすすめできません。
見るべきなのは、
CPU
+マザーボード
+メモリ
まで含めた合計です。
たとえばRaptor Lake Next+DDR4で組んでも、DDR5環境と総額がほとんど変わらないなら、2027年にわざわざDDR4を新しく選ぶメリットは薄くなります。
逆に、PC全体でしっかり価格を下げられるなら話は変わってきますね。
DDR4とDDR5の違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
→ PCメモリの選び方完全ガイド|容量の目安・DDR4とDDR5の違い・デュアルチャネルの基本を解説
Raptor Lake Nextを選ぶ価値は結局価格で決まりそう
Raptor Lake Nextが向いていそうなのは、最新世代の性能を追う人より、PC全体の価格を抑えたい人だと思います。
特にDDR4をすでに持っているなら、メモリ代を浮かせられる可能性がありますからね。
12世代などの下位CPUを使っていて、既存のマザーボードが正式対応すれば、CPUだけ交換するという方法も考えられます。
逆に13世代や14世代の上位CPUを使っている場合は、今のところRaptor Lake Nextへ乗り換える理由はあまり見えてきません。
新しくPCを組む場合も同じです。
Raptor Lake Next
+LGA1700
+DDR4
と、
その時点の新しいCPU
+対応マザーボード
+DDR5
で、総額がいくら違うのか。
結局はここに尽きます。
価格差が小さいなら、新しいDDR5環境を選んだ方が分かりやすいです。
逆にマザーボードとメモリまで含めて安くなるなら、Raptor Lake Nextにもかなり意味が出てきます。
CPU単体のベンチマークだけではなく、PC一台でいくらになるのか。
Raptor Lake Nextは、そこまで見て判断したいCPUですね。
LGA1700が2027年にまた新しいCPUで使われるかもしれない
LGA1700が登場したのは2021年です。
第12世代Alder Lakeから始まり、第13世代Raptor Lake、第14世代Raptor Lake Refreshまで使われてきました。
その後、2024年のArrow LakeではLGA1851へ変更されています。
新しいIntel CPUがLGA1851へ移ったので、LGA1700はこのまま型落ちしていくと思っていた方も多いはずです。
ところが、Raptor Lake Nextが予定通り登場すれば、2027年にもLGA1700向けの新しいCPUが追加されることになります。
これはAM4のように、ずっと同じソケットで新世代CPUをつないできたのとは少し事情が違いますね。
Intelは一度LGA1851へ移ったあとで、Raptor LakeとDDR4を使える環境をもう一度残そうとしているわけです。
Raptor Lake Nextは、性能だけを見るとそこまで派手なCPUではなさそうです。
それでも2027年に、DDR4を使って価格を抑えたIntel PCを組めるなら、存在する意味は十分にあると思います。
ただ、本当に安くなるかどうかは、まだ分かりません。
発売されたときに見るべきなのは、14世代より何%速いかだけではなく、CPU、マザーボード、メモリまで含めていくらになるのか。
Raptor Lake Nextが面白いCPUになるかどうかは、そこではっきりしそうです。


